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- モデル名: iPhone 12 Pro Max
- 日付: 2025-08-02 11:52 午前
- 露出時間: 1/60 秒
- フラッシュ: 16
- レンズ焦点距離: 5.1 mm
東京都美術館 つくるよろこび生きるためのDIY
やまのおおじゃくぬけ
むがす
山に囲まれたちいさな村に、ヘビの話、いくつもあったんだと
そろそろ山が赤くなる季節だったか
太郎は村のみんながつくった野菜をぜんぶ担いでとなり村まで、歩いて売りにいったんだと
そこへおつきな荷物を背負った、ちゃつこいわらし、現れたんだと
わらしは頭をべこっと下げて山のうえさ、先へ先へと上がっていくんだと
そこにおおきな沼、あったんだとそれがたいへん、あまくてうまい水だったんだと
雨がぽつぽつほほに当たるので、太郎は目を覚ましたんだとそしたら、ちょろちょろってうごく黒っぽいみたいなもの、目に入ったんだね
それ、沼の周りをぐる1つと一周するほど大きな大きな、ヘビだったんだと
太郎は、これはまずい!と思って、大ヘビの頭さ飛び乗って自分がかぶっていたカサ、のつけてやったんだとすると大へビ、ちいさくなって、さっきのわらしに戻ったんだと
わらし、さっきの大きな荷物からくろくると丸めた紙を出して、太郎によこしたんだと
太郎が村にもどると、とんでもない風、吹きはじめたそして、コンコンゴンゴンとたいへんな雨になった
お向かいのばあさん、寝ていた太郎をひっぱたいてあっちこっち大水だ!
とさけんだんだと
太郎、たちまち跳ね起きて
村の人たちみな背負ってきて、川向こうの小屋さ集めてしまったんだと
あのわらしにもらった紙っこ広げると、この村が描いてある絵図だったんだと
そうして太郎、
ここ大へビ来ど!ここ大ヘビ来るど!と大さわぎしたんだと
しかたねぇから、みんなで丘まで上がったんだね
じゃく、じゃく、じゃー!
じゃく、じゃく、じゃー!
村じゅうあちこち、一気に大ヘビ、通り抜けたんだとや
村はどっぷり水に浸かっちまったが太郎たちがいた丘だけ、なんともねかったんだと
太郎は、山さお礼に行った方がいいがもしんねと思って、行ってみることにした
そこ、とっても見晴らしがよくて、おもわず手を合わせたんだと
目を開けると、足元には
あの日太郎がかぶっていたカサが落ちていてね
その下さ、金銀財宝が置かれていたんだと
そのお金で村は復興して、みなしあわせに暮らしたんだと
それから村では、ヘビ穴の絵図を大事にして大ヘビが雨の日に通る道のことじゃくぬけって呼ぶようになったんだと
こんどのヘビはこっちゃ通る
つぎのヘビはあっちゃ通る
ヘビが出かけりゃ水あふれ
ヘビが抜けると山くずれ
じゃつくじゃつくと音がなるじゃつくじゃつくと音がなる