横浜美術館(〒220-0012神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目4-1)の「ヌード NUDE —英国テート・コレクションより」を見に行った。
気になったジョン・エヴァレット・ミレイ ナイト・エラントは、横浜美術館で下村観山の模写は見たことがあった。
今回オリジナルは初めて見た。
これ、弱き者を助ける使命を持ったナイト・エラントが囚われた女を救うという騎士道ロマンスの一場面を描ていて、作品が発表されたとき女の裸体表現がリアルだと批判があった。
全く意味不明な意見で、そもそろ全くリアルに見えない。当時人々の感性とかけ離れているらしい。
過去同性愛が禁じられていたそうだが、作品は「ゲイ」で「レズ」はなく、今も昔もゲイモノはウケるのだろうかと思った。
テーマの一つにフェミニズムがあったが、これは女の視点から男女を変えただけで、有りがちなポーズと構図で特執することもなかった。
英国からなのでフェミニズムより、内在する人種差別や階級制度をテーマにした方が良いのではと思った。
今回展示されている作品の点数が少なめでだったが、ゆとりをもって鑑賞ができて良かった。ただ、意味不明な作品が混じっていたり作品に偏りがあったりで、企画した学芸員の趣味なのかと思った。
大理石彫刻のロダンの接吻は撮影が可能で、しっかり撮ってみた。これを見られたのは良かった。
最後に今回の展示作品をアートとするなら、ポルノとの違いは何かを明確にする線引きが謎すぎる。
同じ裸でも2015年9月15日から12月23日に開かれた、永青文庫の『春画展』はそれぞれ色使いがきれいで健全な気がした。